2012年6月24日著

<ストーカー行為等の規制等に関する法律>



 8条1項


「国及び地方公共団体は、ストーカー行為等の防止に関する啓発及び知識の普及、


ストーカー行為等の相手方に対する支援並びにストーカー行為等の防止に関す


活動等を行っている民間の自主的な組織活動の支援に努めなければならない。」



同条3項


「ストーカー行為等が行われている場合には、


当該ストーカー行為等が行われている地域の住民は、


当該ストーカー行為等の相手方に対する援助に努めるものとする。」



同法8条1項によれば、地方公共団体である市区町村は努力義務を負っている。



そこで、被害者支援・ストーカー犯罪抑止のために


市区町村が当該SNSに参加することを社会的道義的意味での義務履行を


強く求めるべきではないであろうか。

(SNS利用を契機とするストーカー犯罪の抑止効果を期待できるのであれば、


他のSNSへの参加も検討していただきたいものである。)



東京都中央区が参加したケースで考えてみる。



利用者の「居住地」や「勤務地」が中央区である場合、


利用者のコンテンツの基本データに「東京都中央区が承認」を表示。


当然、利用登録する際に、


「東京都中央区の承認を得ることをのぞみますか?」


という選択の機会を提供する必要はある。



次に、この「承認」を得た利用者に対してストーカーが出現した場合、


まず、利用者が当該SNSと東京都中央区(場合によっては管轄する警察署)


に証拠となる物品等を提供。



次に、


専門家等の協力を得て証拠に照らして事実であると判断した当該SNSと東京都中央区は、


当該申告をした利用者の「住居地」「勤務地」を同じくする第三者立場にある利用者


のコンテンツ内に、一定事項を表示する。


例えば、



「現在、「東京都中央区○○○」の付近において、平日○○時以降、頻繁に


ストーカー規制法第2条1号「見張り行為」が繰り返されています。」


元恋人・元夫などが加害者であるケースでは、顔写真・氏名等は明らかであるものの、


これらの事項の当該SNS内での表示行為は刑法230条1項「公然と事実を適示」する


行為にあたり、名誉棄損罪で処せられる可能性があり、現行法に照らせば不可能である。



   ( この犯罪が法定されていることで、


     当事者以外に認識されることがなければ、公になりさえしなければ・・・。


     たとえ、周囲の一部の者に認知されたとしても、その手段態様によっては、


     その摘示行為は刑法230条によって抑止されているのであるから・・・。


     もっとも、適示する側の動機の透明さの程度如何によっては、

     法も助力してくれてはいる。

      ー 刑法230条の2

          「公共の利害に関する事実」+「目的が専ら公益を図る」+・・

     世間は広いようで狭い。




              社会的立場にある者が・・・・・。



              ならば、自分だって・・・・・・



        まさに、


             「負の絆スパイラル」


      近々、国の借金が1000兆円を超えるという事態からの「憂い」という

      意味合いも含まれているのであろうが、



           「将来の子供たちのために・・・・・」




      正直、大上段に掲げられていることに現状違和感を抱かざるを得ない。)



法治国家である以上、現状においては、正当な目的がその達成のための手段態様


によって企業コンプライアンス自体がグレー色に染まり歪曲化されぬためにも、

特定の程度
には慎重になられるべきであろう。




また、その際、くれぐれも当該利用者が被害者であることを特定されることが


ないように配慮する必要がある。





では、犯罪の発生「場所」についてその特定を絞り込むことはどうであろうか。


例えば、「東京都中央区八丁堀1丁目」エリアとまで特定表示するのである。


この点、この程度まで特定した場合、以下のような弊害が生じるのではないか。


貰うべくすべての平日帰宅する担当者が会社を出る夜18時以降から正門玄関で待


ち続けていた。




一方で、当該SNS利用者が自己のコンテンツ内の上記表示を目にする。


(場所) 東京都中央区八丁堀1丁目


(時間帯)平日夜19時以降


(行為態様)「見張り行為」


この場合、


他の利用者が当商事会社の社員であり、なおかつ、担当社員と同部署であり、


Bさんの目的を把握していれば問題はないが、これは稀なケースであろう。



とすれば、ストーカー行為場所が過度に特定されすぎれば、このように営業活動が


著しく阻害される事態を招来させるおそれが低くはないといえるのではないであろうか。


当該SNSに表示させる主な目的は、


加害者の逮捕そして被害者の現実的救済ではないのである。


これらは原則として捜査機関の法的責務であり、一定の例外的な場合でない限り


第三者は補助的立場を堅持すべきであろう。



ここでいえば、


当該ストーカー加害者が当該SNSの利用を契機としてストーカー行為に及んでいる


のであれば、行為に及んでいる現在進行形の段階においても間違いなく当該被害者のコンテ


ンツを閲覧しているといえる。


被害利用者と其の他の同一「居住地」「勤務地」の利用者との区別がされてはいない


ものの、加害利用者は、稀に「加害者」としての自覚がない者もいるが、すくなからず


その自覚を有している以上、「東京都中央区」では明らかに広きに渡りすぎ抑止効果を期待


できないであろう。


「東京都中央区八丁堀エリアにて夜19時以降、頻繁な見張り行為により特定の利用者が・・・」


という表示が目に飛び込んでくれば、もしかして「自分のことでは?」との罪悪感・不安感を

抱く可能性が決して低くはないといえ、抑止効果を期待できるといえるのではないであろうか。

 

このことこそが、つまり、一定のコストを担い公共機関の助力を得え当犯罪抑止に

努めることこそが当該SNSの果たす現時点での役割ではないであろうか。






~ 弊職の独り言 ~




仕事終わりに諸先輩方の行きつけのお店で食事をご一緒させて頂いていると、


最近お会いした方が生後まもない赤ちゃんを抱きかかえられてご来店。



この赤ちゃんのお母様は、先々週ノートに登場していただいた


アンパンマンジュースの男の子のお母様。


そして、その後ろから、オフィス街で号泣した男の子と奥様がご来店。


オフィス街で号泣した息子に目もくれず放置?されるという態度にでられた


母親でおられる奥様の人物像を想像してはいたものの、


このとき初めてお目にかかり、ご挨拶をさせて戴いた際、


「納得」そして「想像を超える御婦人」。



途中で、奥様と男の子が中座され、買い物から戻ってくる際の


お二人並んでこちらに向かって歩いてこられる姿を見て、


特に息子さんの満面の笑みを浮かべながらのスキップ姿を見て、


奥様の「躾」観に共感。


そして、


何よりも、御夫婦ともに、その「まなこ」に力強さを感じた。


「まなこ」は、その人の「こころ」を映す鏡である



まさに、「才子佳人」の字義の如くのご夫婦でおられる。


堅実に歩まれておられるのであろう。



そう、数年前、中央区に引っ越してきた当時、銀座のショットバーで1人飲んでいたとき、


午前0時近くであったであろうか、スラッとした容姿の2人の女性が来店、


弊職から4つ席をあけて座られ、マネージャーに英語で話しかけ始められた。


ところが、マネージャーがまったく英語がわからず、弊職に助けを求めてこられた。


ビターなワインを飲まれたいということであった。



それからしばらくして、再びワインの注文をされようと、弊職の横の席に移られてこられた。


お連れの女性は、その時既にうつぶせになって眠っておられていた。


弊職は発音が下手であり、相手女性の心遣いもあって、ペーパーにスペルを交互に


書き合い、片言の英語を交えながら歓談を楽しんだという思い出が浮かんだ。


今までの人生で2度しかない経験ではあるが、



初対面での会話のやり取りであるにもかかわらず、


「既にかなり昔からお互いを知っている仲である」という安堵感に徐々に支配されて


いくというものであった。


このおふたりの女性に出会ったのは、自身の価値観等がそれなりに確立された時期で


あろう20代前半と30代半ばであり、私見からは、おふたりの女性に共通点は少なくなく、


いま思うに、亡き母の子育観に感服である。



この方は、燐国で裁判官をされておられる女性であった。



宴の後、事務所に戻るため、ひとり歩きながら、


「家族観」に関しては、間違いなく弊職が頭を下げざるを得ない、


瘦せすぎの容姿でありながらも目力に溢れ、


自身の内面的鍛練に余念のない礼節高き女性と共に歩んでゆくべく、


己自身も公私共に更なる、いや相当な努力を注がねば・・と、


大いに触発されたよき週末となった。


 

 

 

                                              Kenichi yoneda

 

 

 

 

 

 

 

 

 

       

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